サスペンス

『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』ランティモスの準・最終形態!

意地悪で謎めいた映画監督ヨルゴス・ランティモスが『籠の中の乙女』『ロブスター』と作品を重ねるごとにウニョウニョと変容してきて、遂にその最終形態を現した!本作はそんな感じの映画です。なぜ本作がランティモスの最終形態≒集大成かと言うと、今回も過去2作品と同じテーマが扱われており、完成度が高く、3作通して観ると決定打のようなダメ押し感があります。
ドラマ

『ベラのワンダフル・ホーム』無難に稼げる映画はイヌ映画だ!

たいしょうねんれい 6さいいじょう。ファミリー向けと言うか、完全にお子様向けのワンちゃん映画です。僕は結婚してからは嫁(カンボジア人)が観たい映画に合わせることも増えてきたので、以前とは違ってこういう類いの映画も観るようになりました。もともと動物映画は好きなんですけどね。子供が産まれたら更にこの流れに拍車がかかることでしょう。
アクション

『デンジャー・クロース 極限着弾』美談にあらず!好感の持てる殺伐戦争映画

ベトナム戦争にオーストラリア軍やニュージーランド軍が参戦していたという事実は知りませんでしたねぇ。そんなオーストラリア軍が経験した最も激しい戦闘「ロンタンの戦い」の映画化が本作です!なかなか良かったですよ。殺伐としているところが。
サスペンス

『見えない目撃者』僕があまり邦画を観ない理由

僕はあまり邦画を観ません。小学生の頃から洋画ばかりを観てきました。邦画を観ない理由としては、単純に観たいと思える作品が少ないことでした。しかし、本作を観たことによって他の理由も分かってきたので書くことにします。
ドラマ

『ロブスター』【実体験あり】いい出会いきっとある、強制婚活合宿

独身者は45日以内にパートナーを見つけなければ動物に変えられてしまう、という不条理な物語です。いかにも『籠の中の乙女』のヨルゴス・ランティモスらしいブラックな風刺の効いた内容になっていますね。今回はこの「強制婚活合宿」の映画の考察と、僕自身の婚活体験を絡めて書いていきます。
ドラマ

『籠の中の乙女』洗脳。子どもへの教育が人権侵害に変わるとき

ギリシアの鬼才、ヨルゴス・ランティモスの名を世に知らしめた怪作です。噂に聞いていた通り、本当に変な映画なのですが、「作り手が何を表現し、伝えようとしているのか」を読み取ることが非常に重要です。逆に言うと、画面上に映る事象をそのまま受け止めるだけでは鑑賞する意味が無いということなんですね。
ドラマ

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』シャロン・テート惨殺の館にて録音された名盤

たまには音楽の話でもしましょうか。僕もようやく本作を鑑賞するに至ったのでレビューを書こうかと思いましたが、既に多くの方々によって熱く語られ尽くされた感があるので、方針転換です。今回は本作と間接的に関連したロックの名盤について語ります。それもいわく付きの。
アクション

『1917 命をかけた伝令』過程か、結果か。クリストファー・ノーラン化するサム・メンデス

結論から言うと、つまらなかったです。ワンカット風の映像のカタルシスがあったのは前半までです。結局のところ、物語よりも技術に偏重しているのが難点だと思うのでその辺について書いていきます。
SF

『アンダーウォーター』大赤字!ディザスター&モンスターはもう古い?

全米をはじめ、全世界では2020年1月に公開されていた本作。日本公開が遅いな~と思っていたら、いつの間にかアマゾン・プライムでしれっと配信されていましたとさ・・・。まぁ、劇場公開がスルーされた理由は明らかなんですけどね。
ドラマ

『星の王子 ニューヨークへ行く』ええ声!最大の注目はあの美声俳優

懐かしいですね〜。僕は小学5年生の時にゴールデン洋画劇場で観たのを覚えています。(『ターミネーター2』の翌週の放送が本作だった)エディ・マーフィー主演、ジョン・ランディス監督の『大逆転』コンビによる本作は、当時エディ史上最大級のヒット作となりました。
ホラー

『ポゼッション』(1981) 【大傑作!】過剰な狂気を重戦車で引きずり回すような映画

僕の生涯ベスト10に余裕で入る変態映画です。それがなんと!公開40周年記念のHDリマスター版が2020年1月に日本の主要都市の劇場にて順次公開されたんですね~。嬉しい!嬉しいぞー!(カンボジア在住だから観に行けないけど)。てなわけで、今回は本作の劇場公開を記念して感想を書いてみることにしましたー。
ホラー

『ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷』絶不評!「呪怨」のリブートはまるで心臓の負荷耐久テスト

原題のThe Grudge = 怨念 ≒ 呪怨 です。Jホラーの代表作『呪怨』(2003)の米国版リメイクが『THE JUON/呪怨』(2004)で、本作はさらにそのリブート版にあたります。本作は2004年版と同じくサム・ライミがプロデュースということで、近年は『ドント・ブリーズ』や『クロール -凶暴領域-』といった良作ホラーを製作しているライミだけに、期待して劇場に足を運びました。
アクション

『デス・レース』無骨!ピリッとB級安心保証

『ロッキー』前のシルヴェスター・スタローンが脇役として出演していたことでも知られるカルトB級映画『デス・レース2000年』(1975)のリメイク作です。どこか牧歌的であったオリジナルとは似ても似つかぬハードで無骨な世界観が特徴ですね。
アクション

『イップ・マン 完結』露骨にも!米中貿易戦争・恨み節

ブルース・リーの師匠でもある実在の武術家、葉問(イップ・マン)をモデルにしたシリーズ第4弾にして完結編。で、史実とは異なるのかもしれませんが、イップ師匠がまさかの渡米!というのが今回。これにはトランプ政権以降の米中関係の影響が見られる作風になっていると思うので、その辺の話を。
特集

2019年 映画ベスト&ワースト

ブレードランナーの舞台設定であった2019年も残すところわずか。今年の締めくくりとして、2019年に観た新作映画の個人的なベスト&ワーストをここに発表〜。今回も偏ったラインナップです、ハイ。
ドラマ

『レクイエム・フォー・ドリーム』生き地獄!若く美しくありたい貴女へ贈る映画

ドラッグによって自らの身を滅ぼしていく人々を描いた作品なのですが、いちばん興味深いのは「女性は何歳になっても綺麗でありたいし、周りから褒められたい」という願望を描いている点です。言い換えると承認欲求ということなんですが、ダーレン・アロノフスキー監督はドSなので、そんな女性の心理をズタズタに引き裂くようなことを本作でやっちゃっています。
SF

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』酷評!自己模倣に回帰

前作『最後のジェダイ』もかなり酷かったのですが、本作は異なるベクトルで更に酷い作品になりました。すべてが最悪であったディズニーSWの集大成、と言うか残りっカスみたいな映画です。今回はディズニー3部作の総括も含めて、本質的に抱えている問題について書きます。
ドラマ

『ダンガル きっと、つよくなる〈オリジナル版〉』熱盛り!高濃度・高機能なスポ根

テレビやパソコンで映画を観るときは、どんなに面白い映画であっても途中スマホをいじったりしてしまうのは僕の悪い癖。ところが、本作はスマホを覗くヒマなし!一瞬たりとも退屈しませんでした。僕が観たのは日本公開版よりも20分ほど長いオリジナル版で、上映時間は160分。長尺にも関わらず、画面から全く目が離せないのですよ、これが。
SF

『パッセンジャー』布教ビジネス?聖書メタファー・初級編

人気スター2人が主演し、莫大な予算を投じた超大作ですが、露骨に聖書映画になっていますね。もう誰が観たってそのようにしか見えないかと思います。なぜ欧米の映画はこんなにも聖書のメタファーが多いのでしょうか?
ドラマ

『今日も嫌がらせ弁当』邦画論!根性で感情に訴えるのが邦画

カンボジアにて開催されたJapanese Film Festivalにて鑑賞。 今年はコレと言って観たい作品が無かったので、とりあえずFilmarksで評価が高かった本作を選んで観た次第。 これが良くも悪くも日本らしい映画でして、日本の文化、価値観、精神性を世界に広めるというイベントの趣旨には見事に合致していると思いました。
スポンサーリンク